行政書士業務の承継

ブルーオーシャンをめざし続けて・・

作業と仕事

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遊園地では、待ち時間が長く、割り込みもあってクレームが多い。
そこで、経営者は割り込みをさせないようにしっかりと管理するように担当に命じた。
担当者は管理に努めて、お客をきちんと整列させる。

次に経営者は、どれくらいの人数が並んでいるのか、天候や時間帯別のデータを求めた。
真面目な担当者は、割り込みに注意しつつ一人ひとり数えて報告した。
要領のいい担当者は、一度数えて、あとは列の場所でだいたいの数字を出し報告した。
いいかげんな担当者は、どうせ誰も正確な数字は分からないからと、適当な数字を報告した。

経営者は、この報告と分析結果を見て「そうか」と言った。

担当者は、なぜこんなことをするのか分からず、その仕事は単なる作業であった。
クレームが管理によってどれくらい減ったかについても調べたが、
管理者に報告されるクレーム数は減っていったが、
実は担当者が都合の悪いものは握りつぶしていた。
経営者は、意味のないデータを見、ウソのデータに踊らされた。

経営者が現場に改善策を求めた場合、こうした担当者の作業から何が出てくるだろう。

並んだお客を速くカウントするための設備や、男女を判別できる装置の設置、
データを処理するためのコンピュータソフトなどの業務改善になるのではないだろうか。

ところが、割り込みが生じるのは待ち時間が長いためであり、同時にその待ち時間が長いことが悪いというのは、その待ち時間が楽しくないことが原因だ。
せっかく遊園地に遊びに来たのに時間がもったいない。

数値管理をすれば適切な管理が出来ているような気になる。
その数値がどこから来たのか、本当に解決すべき課題がその数値で導けるのか考える必要がある。
また、最初に誤りがあれば労力をかけて出てきた数値でも意味がない、むしろ悪影響が生じるかも知れない。

知的資産に注目すれば、お客に一番近い場所にいる現場担当者には単に作業ではなく、課題解決につながるような仕事を与えるべきだろう。
すると、並んで待っているお客さまのための短いスペシャルパフォーマンスをするなどという案が出てくる。

ディズニーランドでは、雨の日にパレードが中止になると、少ないメンバーだが雨の日のスペシャルパレードが行われる。
雨の日に入場した人にだけ撮すことが可能な特別な写真が撮れる。

言われたことだけをするのでは無いところに、人が仕事をする意味があると思います。